• このエントリーをはてなブックマークに追加

僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話:書評・レビュー

電通をご存知ですか?

電通は世界の広告市場の1割、日本市場の24%占める日本を代表する広告代理店です。
本書はその電通に33年間勤め上げた元エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター本田亮氏の著書です。

エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターと聞くと難しい肩書きのように感じてしまいますが、所謂「局長」にあたる役職で、役員の一歩手前の役職のようです。

本田氏は縁故採用を経て電通へ入社し、四苦八苦しながらも数々の試練を乗り越えながら、実績を積み重ね、目の前の仕事を必死にこなしていたら局長まで上り詰めたというお方。
本田氏の代表的な作品は:「ピッカピカの1年生」(小学館)「こだまでしょうか?」(AC)等。
CMの企画制作に携わっていたということですから、電通の中でも花形部署で活躍されていたことが本田氏のプロフィールからも伺えます。

又、本書には岡康道氏のことにも少し触れられています。
岡氏は1999年に電通を退職後、日本初のクリエイティブエージェンシーであるTUGBOAT(タグボート)を設立されたことは、業界を問わず有名な話かと思います。TUGBOAT(タグボート)をモデルとした恋ノチカラというドラマもありましたね。
その岡氏は本田氏のアシスタントだった時代があったというのは意外なお話でした。

本書は一見するとタイトルの通り「電通」という組織を全面に押し出した印象を受けますが、どの会社に所属をしていても役立つ内容がぎっしりと詰まっています。
本書の79のトピックスから3つ挙げてご紹介します。

 

理論には感情、感情には理論で応えよう

本田氏が若い頃、先輩のプレゼンについていった時の話。一生懸命に企画案をプレゼンをする先輩に対して、クライアントは企画案を真っ向から反対している状況だった。そんな状況で先輩はある一言を叫んだ。その一言が状況を一変させ、クライアントからの譲歩を引き出すことが出来た。

本書ではその時のエピソードを踏まえてこのように記している。

僕はその時に学んだのだ。議論がもつれてどうしようもなくなったとき、理論に対しては感情、感情に対しては理論が有効だということを。理論対理論の応酬が続くと、どちらも意地になって引くことができなくなる。そういうときは真っ向勝負を避けて、感情的な表現を使ってみる。反対に感情的な会話の応酬を続けると、最後には爆発して大喧嘩になってしまう。そういうときは静かに論理的に話しかけてみるのがいい。激昂していた心も次第におさまってくる。

「僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話」28P

議論がもつれてどうしようもなくなってしまう、という時は大概「理論対理論」「感情対感情」になってしまいがちです。そしてお互いに引くに引けない状況になってしまうのです。
相手が理論で納得できない時は相手の心情に訴えかける(感情的になるということではありません)・・・というのはとても有効的な手段でもあります。
つまり、正面からぶつかっても、自分も引けなければ相手も引けないのですから、角度を変えたところからぶつかっていけば、相手は引くことも出来るということです。
もちろん、「こちらの言い分が論理的に正しい」ということが前提ではあります。

 

新しいほうを選ぶ勇気

どんなに小さなことでも新しいほうを選んでみる。
宿1軒選ぶにしても行ったことのない新しい宿を選ぶ。
レストランだって行ったことのないレストランを選ぶ。
やったことのない、見たことのないことをやるときの緊張感は、成長のためのハードルなのだと思う。

「僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話」68P

「新しいことを経験することで成長する」ということはクリエイティブに限らず、どんなことでも言えることですが、実行することはなかなか難しいことですよね。
昼食を食べる場所、食べるものを毎日変えてみたり、通勤経路を普段とは変えてみたり、頭でわかっていても、「いつもの」が楽ですので実行に移すことが出来ません。
新しい経験というのは非常に面倒なことです。未知の世界へ足を踏み入れるということは恥ずかしい思いをしたり、嫌な思いをしたり、失敗したりしてしまうことがあります。嫌な思いをしたくないからこそ、今までの経験した範囲内での行動をしてしまうのです。
しかし、意識して新しい経験を積み重ねていかなければ、私たちは今いる場所から成長することは出来ません。
会社に属していれば、上司からの指示で嫌なことでも、面倒なことでもやらなくてはなりません。その「嫌なこと」こそが私たちの成長するキッカケを与えてくれるのだと私は思います。
もし、会社に属することなく、フリーランスの立場となったら、嫌なこと、面倒なことも率先してやっていくことができるでしょうか?
きっと嫌なこと、面倒なことを避け、楽な方へと進んでいってしまうはずです。
そうした生活をしていると知らず知らずのうちに成長が止まってしまうということを改めて気づかされました。

 

どんなときも、先に入ったスケジュールを優先

スケジュールの約束というのは難しいものですよね。
社内のミーティングから、得意先との約束、打ち上げ、懇親会といった仕事のスケジュールもあれば、友人との飲み会、恋人とのデート、家族との約束等、プライベートのスケジュールもあります。
こうしたスケジュールは時にバッティングしてしまうことがあります。では、何をもって、優先をさせればいいのでしょうか?
本田氏は「どんなときも、先に入ったスケジュールを優先すること」を決めている。
これは自分を優先させているのではなく、他者を優先しているからなのだと思う。
自分にとっての利益を優先する人はきっと、自分にとって都合の良い約束を優先させることだろう。
つまり、前々から後輩との飲み会の約束があったが、その前日に社長から「明日飲みに行かないか?」と誘われたとしよう。自分にとっての利益を優先する人は後輩に「どうしても都合が悪くなった。今度埋め合わせをするから」と言って断りの連絡をし、社長との約束を選ぶはずだ。
こうした自分の利益を優先する人には人がついてくることはなく、いざという時に誰も力を貸してくれなくなる。自然と人が離れていくのだ。
本田氏はスケジュールの優先順位について下記のように記している。

僕のスケジュールの優先順位は役職ではなくて予約順なのだから仕方ない。
たとえば、レストランが予約を受けるときに、急に偉い人から予約が入ったからといって、先に予約していた人のテーブルをキャンセルさせたりしないだろう。そんな店はあっという間に潰れてしまう。
スケジュールには偉い人も偉くない人もいないのだ。

「僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話」146P

終わりに

電通という大企業で大成功をおさめた本田氏から学ぶことは多い。
本書に書いてあることを理解し、実践することが出来れば、サラリーマンとして成功することは間違いないだろう。
しかし、本書を読んだ後に「変わろう」と一念発起し、実行をしても、一ヶ月後、二ヶ月後には楽な方へと向かってしまうのが人というものだと思う。
本書から得られるものを得て、「今の自分でもこれは実践できるかも」というものを何か1つだけでも見つけて、それを継続し続けることが出来れば、それは「変化」であり、「成長」だ。

是非、本書の79のトピックスの中から自身に合ったものを見つけ、自身の成長の糧にすることが出来れば、本書は大変価値のあるものになると思う。

マイティーサーバーの専用レンタルサーバー

関連記事

最近のコメント

    アーカイブ

    カテゴリー

    ページ上部へ戻る