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自分がいなくてもうまくいく仕組み:書評・レビュー

ChatWork(チャットワーク)をご存知ですか?

CahtWork(以下、チャットワーク)はChatWrok株式会社が提供しているクラウド型ビジネスチャットツールです。
チャットワークをご存じない方は、Skypeをイメージしてもらうと良いでしょう。
ビジネスに最適化されているチャットツールということもあり、チャットワークは大変便利です。
最近はIT系企業にこのチャットワークが導入されてきていますので、今後、大手企業にもこの流れが浸透していくのではないかと思います。

今回ご紹介する「自分がいなくてもうまくいく仕組み」はチャットワークの生みの親、ChatWork株式会社(旧EC Studio)山本敏行氏の著書です。

ECStudioはアフィリエイトプログラムを提供するASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)だったようで、その頃からSkypeやメールツール、GoogleAppsなどITを活用して業務を最適化していたようです。
チャットワークが生まれたのも、改善に改善を重ね、効率化を図る上で自ら理想のツールを追い求めた結果であるのではないでしょうか。

 

私が学んだことは大きく分けて3つ

本書は「第一章:自分のコピーを作る」「第二章:理念・ビジョンを共有する」「第三章:スタッフとの心の距離を縮める」「第四章:メールの時代は終わりました」「第五章:自分を高める」の五章に渡って書かれています。

本書を読み終わった後、私は大きく分けて下記3つを学びました。
1.コミュニケーション(第一章〜第三章)
2.効率するためにツールの活用(第四章)
3.リーダーとしての自己管理(第五章)

 

1.コミュニケーション

山本氏は社員とのコミュニケーションを、そして「理念」「ビジョン」をとても大切にしているようです。
その背景には山本氏の過去の失敗経験があったのです。

前年に会社を個人事業から法人化して社員を迎え入れた私は、日々全力で働いていましたが、その時はとにかく儲け重視、効率重視で、儲けることさえできれば、自分も社員も皆幸せになれるだろうと思っていました。

結果、ビジネスそのものは順調に拡大していきました。ところがそれに伴い増える膨大なタスクに追われて社内の空気は日々険悪さを増していき、ついには創業メンバーが次々に辞めていってしまう事態に陥りました。

「自分がいなくてもうまくいく仕組み」62P

社員を幸せにするためにはまず給与を払わないといけない、給与を払うためにも売上をあげないといけない。そのためには売上をあげることを最優先に物事を運んでいかないといけない。と考えられていたのでしょう。

雇用した側は社員への責任が生じます。安定した給与を支給したいと思うことは経営者であれば当然のことです。経営者ではなくてもリーダーであれば、同じかも知れません。「チームや部下が評価されるためにもまずは結果を最優先にしなくては!」と考えるものですよね。

まして、社員、部下のことを愛していれば愛しているほど、そうした気持ちは強くなり、経営者、リーダー自身もプレッシャーに感じることでしょう。
そんな時、信じていた経営幹部や部下に退職をされると、心底落ち込んでしまうはずです。

しかし、社員、部下にとっては日々の仕事が楽しくなければ、やりがいに感じなければ、どんな給与を貰えても、安定していても幸せに感じません。日々の仕事は我慢でしかないのです。

「経営の本質は社員満足になる」と気づいた山本氏は、社員と1対1で腹を割って話をする機会を作り、この状況を脱しました。

本書の第一章〜第三章にかけて、山本氏の経験に基づく社員との接し方や管理の仕組み等詳しく記されています。
これはありふれた当たり前の内容ではなく、目から鱗が出るような内容であると自信を持ってオススメ出来ます。

 

2.効率するためにツールの活用

「経営の本質は社員満足にある」と気づいた山本氏は社員にとって働きやすい環境を作ります。
しかし、社員にとって働きやすい環境=ゆるい環境になりがちです。当然、ゆるい環境になれば会社の売上も下がってしまう可能性があります。売上が下がれば社員を幸せにすることはできません。そこで、山本氏は時間効率を最大限にするためのツール活用術、思考方法について書かれています。山本氏は創業以来、ITを活用した時間効率化を進めているということもあり、このあたりはお見事としか言うことが出来ません。

1.考えを共有するためのマインドマップの利用(マインドマイスター)
2.同じことを2回言うなら動画に残す(Snagitで動画マニュアルを作成)
3.理念やビジョンを共有するためのSNSの利用
4.チャットワークの利用(チャット機能、ファイル機能、タスク機能、ビデオ会議・スクリーンシェア)
5.GoogleAppsの活用(Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleサイト)

 

3.リーダーとしての自己管理

山本氏は「自分理念」を作ることを勧めています。

理念とは船でいう羅針盤であり、目指すべき方向を見誤らない指針となるものです。つまり理念があるとブレない会社、ブレない人になることができるのです。

「自分がいなくてもうまくいく仕組み」172P

「あの人はしっかりと自分を持っていて、安心してついていけそう」という人は自分理念という形では表現されていなくても、自分自身の信念を持っている人なのです。

「自分がいなくてもうまくいく仕組み」172P

まさにその通りだと思います。
人は弱いもので目の前で起こる様々なことに一喜一憂してしまうものです。辛いことや苦しいことから逃げ出したり、人のせいにしてしまうこともあることでしょう。しかし、それでは自分自身が成長することは出来ませんし、何より人はついてきてくれません。

山本氏は本書で自身の理念を「身近な人を幸せにするために自ら積極的に行動する」と語っています。
又、山本氏の2007年3月12日のブログにも同様のことが記されています。
この理念の元、企業としての理念があり、社員が一丸となって目標に突き進んでいるのでしょう。

 

終わりに

山本氏は社内外問わず、情報を外部に出すことを勧めています。
情報を自分の中に閉まっていても、いつか陳腐かされてしまいます。
積極的に情報を出すことで様々な所から情報が集まってくるようになるということなのでしょう。

サラリーマンの場合「部下にノウハウを全部渡したら俺の居場所がなくなってしまう」という思考に陥ってしまいがちですが、「今までの自分のノウハウをすべて部下に与えて、自分は更に上を行く」くらいの気概がないと、「自分がいなくてもうまくいく仕組み」を作ることは出来ません。

本書は人を選ぶ本であると思います。
本書を読んで「シメシメ、自分だけ成り上がってやろう」と考える人は、本書の10%も活用することが出来ないのではないでしょうか。
対して、「自分の周りの人を幸せにしよう」「自分の周りの人と幸せを分かち合おう」と考える人には、本書が役に立つことでしょう。

本書は山本氏の会社へ対する理念やビジョンがあるからこそ、成り立つものであります。
一朝一夕で山本氏のノウハウを実践することは難しいことですが、ビジネスに携わる方々の力になること請け合いです。

本書の1%も紹介をすることが出来ませんでしたが、少しでも気になった方がいらっしゃいましたら、是非とも手に取ってみて下さい。あなたの期待を裏切らない良書であることを保証します。

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